改正貸金業法の概要
近年、貸金業者による高金利や過剰な融資などが原因による多重債務者が急増しています。
借り手側に金利負担などのリスク説明を十分に行なわない事が多く、返済をする為の借り入れを繰り返し多重債務に陥るケースが少なくありません。
テレビのCMなどで親しみがあるため気軽に借り入れる事ができ、借り手の計画性の無さから返済能力を超える債務が発生してしまう事も多々起こっています。
さらに利息制限法と出資法の間のいわゆるグレーゾーン金利で、借り手が任意に支払った利息の弁済(みなし弁済)が43条の要件を解釈した有効な弁済と認められない判例(民事上無効とされ過払い金として返還請求ができる)が多くなりました。
これらの実情を踏まえて、内閣府は多重債務者対策本部を設置するとともに、貸金業法を平成18年12月に改正しました。
これにより、これまで度々問題となっていた多重債務の問題、グレーゾーン金利の問題に国が大きな歯止めをかけることになると思います。
では、そのポイントを見てみましょう。
1.貸金業者の業務を適正に行わせる為に、規制の強化。具体的には、・参入のハードルを高くする(純資産5000万円)・テレビCMの頻度を規制・借り手の自殺を対象とした保険契約の禁止。
2.借りすぎ・貸しすぎを防ぐシステムを導入。具体的には、貸金業者からの総借り入れ額が年収の三分の一以上の借り入れは原則禁止。
3.上限金利の引き下げ。具体的には、グレーゾーン金利を撤廃し、貸金業者の上限金利を利息制限法の15〜20%に引き下げる。